舌小帯短縮症について

舌小帯短縮症

舌小帯短縮症について

舌小帯短縮症とは

舌小帯(ぜつしょうたい)は舌の根元から舌先に伸びる‟ひだ”のことです。舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)は生まれてすぐの赤ちゃんの舌小帯が短いことを言い、舌小帯短縮症手術も生まれてすぐに施術しなければ効果が無く、この時期を逃せば手遅れです。

つまり、赤ちゃんは生まれてすぐに哺乳できなければならないし、離乳食が始まる生後6か月までの間に哺乳で舌を将来「飲む」「食べる」「話す」の基礎的な動きを習得するのです。この6か月間に舌小帯短縮症で舌の動きの制限があれば舌の発育は望めません。

赤ちゃんの舌小帯短縮症手術のメリット

生まれたばかりの赤ちゃんの舌小帯は薄い膜状で水掻きの様な柔らかい粘膜です。これが年齢と共にどんどん角化して固くなってしまいます。だから海外では、生まれてすぐの赤ちゃんの短い舌小帯を切ります。出血も無いし、神経がまだ無いので痛みもありません。昔の日本では、産婆さんは生まれたばかりの赤ちゃんの舌小帯が短いと「おっぱいの吸い付きが悪い」と判断して、舌小帯をハサミでチョキンと切っていたのです。現在は生まれてすぐの赤ちゃんの舌小帯短縮症手術は行われていません。

舌小帯が短くて、生まれてすぐに哺乳できなければ舌の発育が不十分になり、将来「食べる」「飲む」「話す」ことができなくなります。生まれたばかりの赤ちゃんの神経や体の発達は急激で、この時期に十分哺乳できなければなりません。

赤ちゃんの舌小帯短縮症手術のデメリット

日本では、小児科医が赤ちゃんの舌小帯短縮症の手術を否定したために様々な病気になってしまっています。生後1か月検診で舌小帯短縮症を指摘されたり、哺乳障害で小児科にかかっても「哺乳障害は舌小帯短縮症では無い。3歳までに『さ』が言えなかったらその時に専門医で切ってもらいなさい。それまで様子を見ましょう。」言われて舌小帯短縮症手術は断られる。

哺乳は生後6か月で下顎乳前歯が生えてきた時に終わる。それまでに舌が正常に哺乳運動ができなければ、体重も増えないし、舌の動きが制限されて舌の発育も望めません。それ以降に舌小帯短縮症手術を受けても、もう既に舌に変な癖がついているために100%本来の舌の動きや成長に戻すことはできません。

2歳ぐらいに「低位舌(ていいぜつ)」と言って、舌が下顎乳前歯の裏側を押して、反対咬合になり、口呼吸になる。これは歯科医師会が「おしゃぶり」を禁止しているためである。

舌小帯短縮症は小児科医、反対咬合や口呼吸は歯科医師が作った病気です。

医療法人社団 井出歯科医院では、生後2か月で6,000g超えていれば舌小帯短縮症手術をします。

舌小帯短縮症手術は生まれてすぐの赤ちゃんしか効果が無い!

オランダ、アメリカ、ドイツ、イギリス、中国、メキシコ、サウジアラビアでは生まれてすぐの赤ちゃんの舌小帯が短ければ生後1週間以内に医師は切除を勧めます。

つまり、舌小帯短縮症は生まれてすぐに手術しなければ、赤ちゃんは哺乳障害で生きられないし、舌小帯が短いとで吊れて動けず、舌の発育不全になります。

 

それ以降の赤ちゃんや幼児や小児や大人まで舌小帯切除手術を行いますが、トレーニング期間が長くなります。

舌小帯短縮症と哺乳障害

 

哺乳は持って生まれた本能で、乳房を上唇と下唇で咥えて、口の中を真空状態にし、乳首を引っ張り込んで上顎の口蓋の吸啜窩に固定します。

そして舌が上下に激しく動いて母乳を搾り出します。

舌小帯が短いと舌が乳首を固定して搾り出すことができないために‟哺乳障害”になります。

赤ちゃんの成長は著しくて、生後1か月~3か月で体重が1日30~25g増加します。

これは哺乳がちゃんとできた場合で、舌小帯が短い哺乳障害では1日20gも増加できません。

搾り出した母乳は喉の奥に流れて行き、喉頭蓋(こうとうがい)の脇を通って食道に流れ込みます。

喉頭蓋は喉の奥の食道と気管の切り替えポイントです。

赤ちゃんは母乳を吸ったり、飲んでいるわけではありません。

舌は母乳を搾り出すだけで食道に流し込んでいるだけです。

更に、赤ちゃんは鼻で呼吸しながら哺乳しています。

これは喉の奥の切り替えポイントの喉頭蓋(こうとうがい)が哺乳している期間は動きません。

生後6か月を過ぎて、下顎乳前歯が生えてくると、喉頭蓋は動きだし、喉頭蓋は呼吸している時は食道は閉じていて、食べる時は気道を閉じて食道が開きます。

それまでに鼻呼吸を確立し、哺乳障害を改善しなければなりませんし、舌小帯短縮症の哺乳障害の赤ちゃんは体重増加も少なく、乳歯が生えてくる時期も比較的遅い。

舌小帯短縮症と嚥下障害・摂食障害

正常(舌位)      

低位舌(ていいぜつ) 

 

舌小帯が正常で哺乳に問題がなければ、舌は6か月間のトレーニングが終わり、「食べる」「飲む」「話す」ことができる舌の筋肉が発達することができます。

舌いつも上顎口蓋にくっついた状態で、これを「舌位(ぜつい)」と言います。

しかし、舌小帯短縮症のままだと、運動制限がかかって舌の筋肉の発達は望めないため舌の発達不全になります。

だから、海外では生後6か月まで哺乳による舌のトレーニングが欠かせないので、生まれてすぐ舌小帯短縮症手術を行うのです。

日本の小児科医は3歳までに「さ」が言えなかったらその時に舌小帯を切るとしていますがそれからは舌の発育は望めません。

これが「低位舌(ていいぜつ)」と言って、下顎の歯の内側に舌が落ちている状態になります。

低位舌だと舌が上に挙がらないため「摂食障害(せっしょくしょうがい)」食べ物を飲み込むことができない、「嚥下障害(えんげしょうがい)」飲み込むことができない

どちらも舌が上顎の口蓋に付いて、鼻から来る空気を遮断できないと飲み込むことができない。

更に、それに付随する「喉頭蓋(こうとうがい)」の食道と気道の切り替えが上手くいきません。

だから、生後6か月の間の哺乳のトレーニングが正常にできるように新生児での「舌小帯短縮症切除手術」が必要なんです。

この6か月間の哺乳トレーニングで驚くべき発育が起こり、一生が決まります。

よく赤ちゃんのご両親から「切った方がいいでしょうか?」と聞かれますが、この事実を知ったらみなさん1日でも早く短い舌小帯を切ることをお勧めします。

口腔機能発達不全症と構音障害

新生児の時に舌小帯短縮症の手術をしなかったために低位舌になってしまい、そのために構音障害・口腔機能発達障害になってしまう。

更に、せっかく1か月検診で「舌小帯短縮症」と診断されてたり、哺乳障害で小児科にかかると、「哺乳障害は様々な要因があり、舌小帯短縮症は原因では無い。3歳までに『さ』が言えなかったらその時に切ればいい。それまで様子を見ましょう。」と言われて何もしてもらえない。

この小児科医の言葉をまともに信じてしまったのが構音障害・口腔機能発達不全症である。

医原病である。

なぜなら、口腔機能発達不全症は「3歳で『さ』が上手く発音できない。」病気です。

構音障害は、「か・さ・た・ら」が上手く発音できない。

例えば、「おかあさん」が「おたあたん」と発音する。

これは舌小帯短縮症のために舌が低位舌になっているために、口蓋に舌が付けないために発音できない事です。

舌がいつも下顎前歯裏側にピタッと付いているために発音できないのです。

口腔機能発達不全症も低位舌になっているために舌が自由に動かない舌の機能不全です。

但し、3歳舌小帯短縮症の治療をしなかったために、発音に‟癖”が付いているため舌小帯を切ったからと言ってすぐ発音できる訳ではないのです。

手術後にトレーニングが必要です。

もし、これから舌小帯短縮症で小児科にかかる時は、「3歳までまで待ったら、口腔機能発達不全症になってしまう。」と小児科医に詰め寄ってください。

舌小帯短縮症の診断

本来は生まれてすぐに舌小帯短縮症の手術をした方が良いのですが、日本では新米ママさん、医師、歯科医師は「舌小帯短縮症」のことを殆ど知らないので、手術時期が手遅れになります。

ベテラン助産師は知っている方が中にはいますが、舌小帯短縮症の知識と手術の両方を兼ね備えている医療機関が殆どありません。

舌小帯短縮症だと哺乳障害になり、眠りも浅く、すぐ起きて泣く。

お母さんも赤ちゃんが上手におっぱいを飲めないので乳腺炎になります。

そこで助産師が舌小帯短縮症かもしれないとアドバイスをくれます。

偶に、お母さんの母乳の出が良すぎて舌小帯短縮症でも哺乳障害にならない場合もあります。

その他に、1か月検診で指摘してもらえる場合もあります。

後は、おばあちゃんからお母さんも舌小帯が短くて切ったという情報があれば気が付きつきます。

舌小帯短縮症は遺伝が多いですが、稀に家族で誰もいない場合もあります。

舌小帯短縮症の分類もありますが、分類によって舌小帯を切る切らないを決めるものではありません。短ければ手術です。

そして、手術の後に必ずトレーニングが必要です。

舌小帯短縮症が軽度ならトレーニングで改善することはありません。

舌小帯短縮症手術

 

 

 

 

 

従来の術式

新しい舌小帯を裂く術式

舌小帯短縮症の手術は口腔外科の教科書に術式が載っていますが、それでは舌小帯が余計に太く、癒着して固くなります。

なぜなら、舌小帯は生まれてすぐの時は薄い膜状ですが、どんどん角化して舌を動かす「舌の腱」になるからです。

巨大な筋肉の塊を動かすわけですから。(足の筋肉を動かすアキレス腱と同じ)

従来の手術だと舌小帯の真ん中に切開を入れると、傷口はダイヤモンド型に広がる。

これだと舌小帯の断裂が起き、縫合すれば舌の粘膜、舌小帯の結合組織、舌の筋肉で癒着が起こる。

レーザーは縫合しないので傷口がダイヤモンド型に広がったまま治るため、余計癒着が起こる。

医療法人社団 井出歯科医院では傷口を縫合していたが、癒着が少し起きた場合はトレーニング器具で舌を引っ張って癒着防止してきた。

そこで、院長の井出が小学校3年の時に自宅のコタツでテレビを見ながら、舌が引っかかっている感じがしたため、両手の親指と人差し指で舌を引っ張ったところ、「ブチッ」という音と共に舌小帯が切れたのです。

これがヒントになって、以前から舌を摘まんで持ち上げた時に、やはり「ブチッ」と舌小帯が裂けていたことがあったことを思い出し、一昨年から舌を糸で引っ張った状態で、舌小帯に切れ込みを入れて裂く術式に変更したのです。

すると、今までの術後の出血や縫合によるガマ腫の危険性が無くなったのです。

予後も良好で術後普通に飲んだり食べたりできるようになったのです。

舌のトレーニング器具

1.赤ちゃんの舌小帯短縮症手術後のトレーニング器具:ライパー

2.小児の舌小帯短縮症手術後のトレーニング器具:舌トレーナー

3.大人の舌小帯短縮症トレーニング器具:アヴェオTSD

4.大人の舌小帯短縮手術後トレーニング器具:サイレントトリートメント

5.大人の舌小帯短縮症手術後トレーニング器具:エクストラロール

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